2010.05.21
「窯焼き」ですから
製陶業をなりわいとしている私たちのことを
地元では「窯焼き」と言います。
土からモノを作って最終的には
窯に入れて焼く。
全ては焼けたときに決まる。
だから「窯焼き」というのです。
昔は窯を焼くのは熟練の技でした。
かく言う私も知らない世界ですが、
職人の感で火の強さ、空気の入れ方
焼成時間を操っていました。
こうなったらこんなふうに焼ける
こんなときはだめになると言うたくさんの
経験値から生まれた独自の焼成方法を知っていました。
今はそんな職人がいなくても私でも焼ける
コンピューター制御のハイテク窯です。
今日はコンピューターが間違えました。
バーナーの様子がいつもと違うのに
いつものように焼いてしまいました。
焼き上がりはやっぱり半分くらいダメになりました。
コンピューターも万能ではないのです。
窯の異常を見逃していては「窯焼き」とは
いえません。
確かに職人が焼いていた頃に比べれば焼きそこないは激減しました。
それでも改めて自分たちは「窯焼き」なんだ、と
もう一度意識をして窯を焼かなくてはと実感しました。
コンピューターが焼くのではなく
自分たちが焼くんだという気持ちを
「窯焼き」として持たなければならないと。